2022.06.30 CULTURE お願い、織姫さまと彦星さま #七夕 #彦星 #短冊 #織姫 7月7日は七夕ですね。 街中で笹の葉に華やかな飾りつけがされている七夕飾りを見かけると夏の訪れを感じます。(今年はすでに6月の時点で連日猛暑日の地域もありますが・・・) 笹の葉と彩やかな七夕飾りが風に揺れている姿は涼しげで、私たちの目を楽しませてくれます。 七夕と聞いて思い浮かぶのは一年に一度、織姫と彦星が織りなすロマンチックな星物語ですよね。 七夕の歴史は古く、中国を起源とし、平安時代に京都御所の貴族へ伝わりました。当時は宮中で詠まれていた「和歌」を梶の葉にしたため、笹に飾るという風習があったそうです。 願い事を短冊に書いて笹に飾りつける風習は、織姫と彦星の物語をルーツとする中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という技巧や芸能の上達を願う行事が由来といわれています。 機織り(はたおり)が上手だった織姫にちなんで、裁縫や習い事の上達を願ったのがはじまりだとか。 江戸時代初期になると寺子屋を発祥として願い事を短冊に書くことが一般市民にも広まりました。当時は手習いが普及したことにより、書道の上達を願うことも多かったそうです。 現在では、習い事や学業だけでなく、さまざまな願い事を短冊に書き、星に祈るようになりました。 今回は七夕飾りの主役でもある『短冊』についてご紹介したいと思います。 もともとは五色の「願いの糸」を竹竿の先に飾っていましたが、江戸時代に糸から紙に転じて五色の短冊が使われるようになりました。 現代では短冊の色はさまざまで、好きな色を選ぶ方も多いと思いますが、童謡「たなばたさま」に『ごしき(五色)のたんざく~わたしがかいた~』という歌詞にもあるように、実は伝統的な短冊の色は「青・赤・黄・白・黒(紫)」の5色。 この5色、どこかで見たことありませんか。そう、神社や鯉のぼりで見かける吹き流しと同じ色で、古来から縁起物や魔除けとしされている色なのです。 短冊にも使われるこの5色は、古代中国の陰陽五行説という考え方に由来しています。 占いでや風水でも使われることのある陰陽五行説とは、自然界すべてのものを「木・火・土・金・水」の5つに当てはめる考え方で短冊それぞれの色に意味を結び付けられています。また、日本で古くから浸透していた五徳「仁・義・礼・智・信」もこの5色が充てられているんです ・青…木/仁人間力を高める徳を積む ・赤…火/礼両親や祖先への感謝の気持ち目上の方を思いやる ・黄…土/信人を信頼する人間関係を大切にする ・白…金/義ルール・決まり事を守る義務や責任を果たす ・黒(紫)…水/智優れた知識や知恵を持つ学業の成就や向上を願う 願い事に合った色の短冊に書くことで、願いが叶いやすくなるともいわれているようです。 例えば・・・ 「今年はダイエットが成功しますように」という願い事なら、自分磨き=自分を高めるということに通じるので「青」の短冊に。 「恋人や友達と仲良くいられますように」という願い事なら人間関係に関わる「黄」の短冊に。 「試験に合格したい!」という願い事なら知識に関する内容なので「黒」や「紫」の短冊に書くと良い、とされています。 こんな感じで短冊の色を意識して願い事を書くのも楽しそうですね! 昨今は新型コロナウイルスの影響で、街の七夕まつりが縮小されている地域も多いと思います。この機会に、おうち時間に七夕飾りと短冊を作って夏の夜空を見上げながら日本の伝統行事を楽しんでみてはいかがでしょうか。 ちなみに私は、部屋に飾る七夕飾りを手作りする予定です。定番ではありますが、「家族みんなが健康に一年過ごせますように」と赤い短冊に書いてお願いしようと思っています。 みなさんは織姫さまと彦星さまに、何色の短冊でどんな願い事をされるのでしょうか。